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2019年07月04日

CCS技術はなぜ、必要なのですか。

温暖化対策、CO2排出削減は世界共通の課題で、採用できる有力技術を総動員して対処する必要があるといわれています。再生可能エネルギーや省エネルギーはそのために重要な技術ですが、IPCCはCCSがなければ気温上昇を2℃以内、1.5℃以内とする目標を達成できないと報告しています。

2008年7月に開催されたG8北海道洞爺湖サミットにおいて、地球温暖化対策への取り組みとして、エネルギー効率の向上、再生可能エネルギーの促進、省エネルギー技術の開発などとともにCCSの必要性が確認されました。

また、2015年に採択されたパリ協定では、世界中の国々が参加して地球温暖化防止に取り組むことが合意されました。21世紀の後半に世界の温室効果ガス排出を実質ゼロにするために、CCSにも大きな期待が寄せられています。

地球温暖化について、IPCCが2014~2015年に発表した第5次評価報告書では、「気候システムの温暖化には疑う余地がない」「人間活動が、20世紀半ば以降の観測された温暖化の支配的な原因であった可能性が極めて高い」「CCSが行われない場合、多くの予測モデルで気温上昇を2℃未満に抑制できなかった」と記載されています。

IEA(国際エネルギー機関)は、世界のCO2排出量を削減するために、どのような技術が必要か、そしてそれぞれどの程度の貢献が期待されるかを発表しています。その2021年5月の報告書では、2050年におけるCO2の排出量ネットゼロを達成するためには、世界で年間76億トンのCO2がCCUSにより処理される必要があると試算されています。

※Intergovernmental Panel on Climate Change:国連の気候変動に関する政府間パネル