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苫小牧CCS大規模実証試験

苫小牧CCS大規模実証試験について

当社は、2008年5月の設立以来、地球温暖化対策に有効とされるCCSの日本での早期実現を目指し、経済産業省の指導のもとで、CCS大規模実証試験に向けた事前調査事業を行い、2011年10月に「苫小牧地点における貯留層総合評価」並びに「苫小牧地点における実証試験計画(案)」を、経済産業省に提出しました。

これを受けて同省より2012年2月に「苫小牧地点における実証試験計画」が公表され、2020年度までの実証試験の第一段階として、2015年度までの4年間の「平成24年度二酸化炭素削減技術実証試験事業(国庫債務負担行為に係るもの)」の公募が行われ、当社は応募の結果、委託先に選定されました。この4年間の受託事業の中で、当社は、北海道苫小牧市でCCS実証試験プラントの設計・建設と、圧入井の掘削、2016年度以降に行われるCO2圧入後のCO2の挙動と地下の状況を監視するためのモニタリングシステム構築等の事前準備を行いました。

2016年2月には、実証試験の第二段階としてCO2を海底下に圧入するための「実施計画書(案)」を提出し、経済産業省の審査の結果、当社は「平成28年度二酸化炭素削減技術実証試験事業」を受託しました。

2017年4月には、「平成29年度苫小牧におけるCCS大規模実証試験事業」を受託、2018年度からは、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)より「CCS研究開発・実証関連事業/苫小牧におけるCCS大規模実証試験」(*1) を受託し、継続的に実施しています。

  • *1 2021年3月より事業名が「CCUS研究開発・実証関連事業/苫小牧におけるCCUS大規模実証試験/苫小牧におけるCCUS大規模実証試験」に変更

苫小牧CCS実証試験センター鳥瞰図
苫小牧CCS実証試験センター鳥瞰図

2012年度から2015年度の4年間は、製油所の水素製造装置から発生するCO2を含むガスから高純度のCO2を分離・回収するための設備と、地下へCO2を圧入するための設備を設計・建設するとともに、既調査井から観測井へ1坑を転用し、2坑の観測井と2坑の圧入井を掘削しました。

同時に、貯留層へのCO2圧入が周辺環境に影響を与えないことを確認するため、地層や地震に関するデータのモニタリングシステムを設置し、圧入前の基礎データの取得も行いました。また、CO2が貯留される地層が海底下となるため、海洋汚染防止法に基づいた海水・海洋生物などの事前調査も実施しました。

これらの準備作業が完了し、2016年4月からは、累計30万トンを目指して、CO2を苫小牧港の港湾区域内の海底下約1,000mの地層へ圧入を開始するとともに、圧入中のモニタリングを開始しました。モニタリングでは、圧入したCO2の挙動(移動、広がり)の把握、および海洋環境調査等を通じてCO2 の漏出がないことを監視するとともに、微小振動や自然地震の常時観測を実施しています。2019年11月22日にCO2圧入量が目標の30万トンに達したため、同日圧入を停止しました。モニタリングは圧入停止後も継続しています。

また、パネル展や講演会等を通じて情報を発信するとともに、苫小牧市役所のモニター画面や当社webサイトを通じて苫小牧実証試験の最新情報を公開しています。

政府は、苫小牧をカーボンリサイクルの実証拠点とする方針を打ち出しており、CCS・CCUSの連携運用に向けた検討を進めています。


■資源エネルギー庁スペシャルコンテンツ

CO2を回収して埋める「CCS」、実証試験を経て、いよいよ実現も間近に(前編)

CO2を回収して埋める「CCS」、実証試験を経て、いよいよ実現も間近に(後編)


※最新情報のリンク先: http://www.jccs-tomakomai-monitoring.com/JCCS/index.php/top/

苫小牧港西港区