CCSとは
Carbon dioxide Capture and Storageの略であり、二酸化炭素(CO2)の回収、貯留を意味しています。人類は、豊かな生活を築くために、長年にわたって地中深くに埋まっていた石油、石炭等の化石燃料を取り出して消費してきました。化石燃料を使用すると、CO2が大気中に放出されます。特に産業革命以後、大気中のCO2濃度が急激に上がり、これが地球温暖化の主な原因になっていると考えられています。CCSは、工場や発電所などから発生するCO2を大気放散する前に回収し、地中貯留に適した地層まで運び、長期間にわたり安定的に貯留する技術です。CO2の早期大規模削減が期待できる地球温暖化対策の切り札なのです。
二酸化炭素は、地下1,000m以上深くにあるすき間の多い砂岩などからできている「貯留層」に貯留します。貯留層の上部は、二酸化炭素を通さない泥岩などからできている「遮へい層」でおおわれている事が必要です。遮へい層がふたの役目をして、貯留された二酸化炭素が地表に出ることを防ぎます。
概念図
貯留層と遮へい層
CO2を海底下の地中に封じ込めるためには、貯留層とその上部に遮へい層が存在する地質構造が必要です。
遮へい層は、貯留層に圧入したCO2が貯留層から漏れないよう遮へいしています。
遮へい層の特徴
細かい粒の粘土などが固まった泥岩など
・水が浸透しにくい性質
・十分な遮へい能力
・広く厚く貯留層を覆う
貯留層の特徴
粒の粗い砂などが固まった砂岩や火山岩など
・CO2を貯留するのに十分なすき間がある
・浸透性が高い