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社長あいさつ

安全・安心なCCS技術の確立を目指して

 弊社は2008年の設立以降、経済産業省の指導のもと、日本におけるCCS技術の確立を目指して全国的な調査事業を行い、2012年、同省より「苫小牧CCS大規模実証試験事業」を受託いたしました。CCSとは、地球温暖化の要因となる二酸化炭素(CO2)の大気中への放出を大幅に削減する革新的な技術であり、CCS技術は、世界的な課題である産業革命前からの気温上昇を2℃未満に留めるという目標達成に向けて、再生可能エネルギーやエネルギー効率化などとともに、世界中が注目している技術です。

 弊社が受託した「苫小牧CCS大規模実証試験事業」は、北海道苫小牧市にて2015年までの4年間に、地上設備の建設、陸上から海底下への圧入井掘削、モニタリングシステムの設置を行い、2016年4月からCO2の試験圧入、2017年2月より本格圧入を開始しました。圧入は3年間の予定ですが、モニタリングは、2020年度まで継続して実施される予定です。この実証試験は、30万トン以上のCO2を分離・回収、海底下へ貯留するというCCSのトータルシステムの実証を目的としており、2020年以降の日本における、CCS技術の実用化に向けた課題解決のための重要な役割を担っています。

 地元の皆様、とりわけ苫小牧市役所、苫小牧漁業協同組合、苫小牧商工会議所、試験に使用するCO2含有ガスを供給して下さる出光興産株式会社などの、多くの行政組織、企業の皆様方のご理解とご支援のもと、建設から操業の約6年、無事故・無災害にて計画通りに事業を遂行し、2017年11月12日には、CO2の海底下地中貯留10万トンを達成いたしました。日本において漸くCCSの実用化水準とされる、年間100万トンへの第1歩を踏み出すことができました。

 世界はパリ協定のもと、地球温暖化対策への様々な取り組みが強化されており、その中でも、本実証試験事業は、国と地域社会と民間企業が一体となった世界でも特筆すべきCCS事業として、海外から高い評価を戴いております。2016年10月にはCCS普及のための国際機関CSLF(Carbon Sequestration Leadership Forum:炭素隔離リーダーシップ・フォーラム)の認定プロジェクトとなり、弊社は、アジア太平洋地域におけるCCS普及をリードするRegional Championに任命され、活動を開始しております。

 また弊社は、2014年度より経済産業省と環境省の共同事業「二酸化炭素貯留適地調査事業」を受託し、国内におけるCCS事業の更なる展開に向けた適地調査も、同時に行っております。

 弊社は、設立以来、10年に及ぶ経験を礎に、日本から世界に向けた情報発信や国際機関との連携を強化し、更なる事業の展開と、素晴らしい地球環境を未来の世代に引き継ぐという大きな目標の実現に少しでも貢献すべく、全社が一丸となりまして邁進して参ります。

 皆様方からの一層のご理解と支援を賜りますようお願い申し上げます。

日本CCS調査株式 社長 石井 正一